英文契約書・日本語契約書の翻訳会社ナビ » 英文の契約書を翻訳する際に注意すべきポイント3つ

英文の契約書を翻訳する際に注意すべきポイント

  

近年は海外進出する企業も増えており、英文の契約書は必須となっています。英文で書かれた契約書の翻訳は他の文書とは異なり難易度が高いものです。そこには、日本と海外での契約書に対する考え方の違いがあります。英文の契約書を翻訳する際の注意点をみていきましょう。

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英文契約書は長く明確に記載されている

英文の契約書は記載されている分量が多く、文章自体も長文であることが一般的な特徴です。その理由として、契約内容について疑義が生じないように明確に規定していることが挙げられます。お互いの利害がぶつかる契約において、不明点を話し合いや歩み寄りで解決できるとは考えず、いざというときの証拠となるように契約書で縛りをかける考え方だといえます。 長文となるもうひとつの理由が、契約書がすべてとするParole Evidence Ruleという原則の存在で、契約書に書いてあることは実施し、書いていないことは実施しないためです。いわゆる口約束は問題外で、実施すべきことは必ず契約書に記載します。実施しないこと、したくないことは記載しません。

英米法の考え方や専門知識が必要

英文の契約書を日本語に翻訳する場合に重要なことは、英米法の考え方や欧米における商習慣、そして専門知識を知っておくことです。日本の契約書の記載は日本の商習慣や考え方を前提として書かれており、解釈によって柔軟に対応できる余地を残しているケースが少なくありません。 しかし、前述のとおり国際的な標準としては細部までしっかりと規定した契約書が作成されます。そのため、英米法に加えウィーン条約やTRIPS協定といった周辺知識についても関心をもち、情報のアップデートが必要です。そういったバックボーンがないと、誤訳や翻訳した日本文の解釈が意図しないものになってしまう危険性があります。

契約書である以上誤訳が許されない

英文和訳でも他の言語の翻訳でも、翻訳する文書が契約書である以上は誤訳が許されません。もちろん、契約書以外の文書なら誤訳しても構わないということではありませんが、契約書となると一気にハードルが上がります。契約の両当事者にとって、相手に有利なことは自己に不利となるのが通常であり、契約書の誤訳はそのまま有利不利が逆になってしまう可能性があるためです。 たった一言一句の翻訳ミスが大きなトラブルにつながったり、莫大な損失を招いたりしかねないため、英文契約書の翻訳には英語圏の法律用語や商習慣の理解とともに、経験やミスを防ぐためのノウハウが求められます。

英文契約書と和文契約書の違い

海外企業では自社に有利な条項を盛り込んでいる

日本の企業間では、相手方企業に寄り添った契約内容を盛り込むのに対し、海外の企業では自社に有利となる条項を多く盛り込む傾向があります。そのため、和文契約書の内容を英文契約書にそのまま落とし込んでしまうと、自社に利益の少ない契約を交わすことになってしまう可能性があります。

内容が具体的かつ詳細に記載されている

英文契約書は、契約内容や条項がとても具体的に、かつとても細かく記載されている点も和文契約書との違いです。明確に記載されていることは長所でもあります。

契約書の内容が最優先される

日本では、契約時や商談時に口頭で交わした約束が契約書に記載されていなくても、きちんと守られることは少なくありません。しかし英文契約書では、契約書に盛り込まれた内容がすべてです。口頭で交わした約束を守らなくても、「契約書に記載がない」といって守られないことはよくあります。

英語圏のスタイルで契約することに同意したことを意味する

英文契約書は、和文契約書を英文に変えるだけというものではありません。英語の契約書で契約をすることは、多くの場合英語圏の契約スタイルに同意したという意味合いにとらえられます。

表明保証、入魂の前提条件、制約事項をはじめ、補償規定、一般条項の完全合意条項など、言語だけでなく契約内容自体も英文契約となるように翻訳されることが多いようです。和文でも英文契約にならって作られている契約書は少なくありません。特に株式売買契約などにおいては、和文であっても英文契約的な内容で作られることが多いように思われます。

英文契約書を日本語に翻訳する際の注意点

自社に不利となる条項を修正する

先にも触れていますが、英文契約では自社に有利な条項が盛り込まれるケースが多いです。逆に和文契約書の場合、相手企業に配慮した内容を多少なりとも盛り込む傾向があります。和文契約書から英文契約書に翻訳をする際には、自社企業に不利となる条項が盛り込まれていないかを確認し、あった場合には見逃さずに修正を行うことが重要です。

特に英文契約書では、口頭の約束は一切考慮せず、契約書の内容のみで取引が行われる傾向があります。何かあったときに自社企業に不利益なことが発生しないよう、特に相手方が契約書のドラフトを作成した際にはしっかりチェックします。

過去の契約書との違いをしっかりチェックする

過去に似た内容の契約を締結していて、今回の契約において相手方企業が契約書のドラフトを作成している際は、こちらもしっかり確認する必要があります。似た内容の契約であるにも関わらず、契約内容が前回と変わっていて、相手方企業に都合の良い内容となっている可能性があるからです。

関連する契約との結びつきを確認する

今回の契約と関係している契約がこれまでに締結された実績がある場合には、それらの契約内容もしっかり確認します。過去の契約書との矛盾点が生じている場合には、こちらもきちんと修正しなければなりません。

英文契約書を日本語に翻訳する際の注意点まとめ

英文契約書と和文契約書にはいろいろな違いがあることが把握できたのではないでしょうか。ただ和文契約書を英文に翻訳するだけでは、契約内容が意味のわかりにくいものになってしまいます。契約書の翻訳は、契約内容を深く理解し、双方に公平かつ明確な条項を盛込むことが重要です。

以下のページでは、英文契約書の翻訳についてさまざまな情報を発信しています。英文契約書の翻訳業者を探している人、英文契約書についての知識を深めたい人はぜひ参考にしてください。

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英文契約書のAI翻訳ツール

近年はAIの技術が非常に発達しており、さまざまな場面で活用されるようになってきました。翻訳ツールの中にもAIを取り入れたものがあります。本記事では、英文契約書のAI翻訳ツールとは何か、注意点や活用事例などについて解説します。

英文契約書のAI翻訳ツールとは?

AIとは人工知能のことであり、翻訳したい文章などを入力することにより、自動翻訳が可能です。専門用語にも強くなってきているので、実際に英文契約書を翻訳する際にAI翻訳ツールを活用している企業もあります。

しかし、AI翻訳は便利なだけでなく、使用する際は注意が必要な部分もあります。

AI翻訳ツールを使用する際の注意点

人による最終チェックが必要

翻訳したい部分を選択したり、文章をコピペしたりするだけで瞬時に翻訳が可能なのがAI翻訳の強みです。加えてAIは単純に文章を翻訳するツールとは異なり、文章の前後の内容をくみ取った上で翻訳してくれます。

ただ注意しておきたいのが、誤訳のリスク。AI技術は発達しているものの、100%誤訳をなくすにはまだ時間がかかります。

実用レベルに達しているのは確かではありますが、AIの学習が進まないうちは、求めている翻訳にならないことも多いでしょう。

複雑な表現はまだ苦手とするものも多く、翻訳ができないような文章が出てくる可能性も否めません。特に、細かい人間らしいニュアンスなどを表現できない点はAIの課題とされています。

そのため、契約書をはじめとする重要書類にAI翻訳ツールを使用する場合、契約事項の取り違え防止や認識のすり合わせを円滑に行うためにも、人による最終チェックが必要です。

セキュリティ上のリスク

データをアップロードして翻訳するシステムを選択する場合は、セキュリティ面で注意が必要です。

無料もしくは一部の安いAI翻訳ツールではデータの暗号化を行っていない状態でデータを取り扱っている可能性があり、サイトの脆弱性による欠陥・使用上の不備でデータが流出する可能性も。

ツールを選ぶ際は、データの暗号化まで行っているかを踏まえて選ぶ必要があります。

また、クラッキングなど第三者の攻撃による流出も考えられます。ツールごとにセキュリティを確認し、自社に適したものを使用しましょう。

英文契約書のAI翻訳ツールの事例

実際に注意点を踏まえてAI翻訳ツールを使った英文契約書の翻訳事例を紹介します。

レビュー時間を節約できた

最終的な契約書レビューについては専門会社を通して確認するものの、その前段階でAI翻訳を使っている事例です。AIを用いた一定品質で先に翻訳してからレビューができるようになり、作業にかかる時間が大幅に短縮できたとのことです。

参照元:株式会社十印(https://to-in.com/legal-pack)

高精度の和訳で活躍

依頼部門から寄せられる「契約書を翻訳して欲しい」との要望で悩んでいた事例です。

契約書については言い回し表現が難しい部分が多いですが、高精度のAI翻訳サービスを利用することにより、意味が取りやすいだけではなく、読みやすい和訳ができるようになりました。

参照元:株式会社リセ(https://lisse-law.com/legal-check-translation/)

英文契約書のAI翻訳ツールまとめ

AI翻訳ツールは、人間が自身で考えて行う翻訳とは異なり瞬間的な翻訳が可能です。また、一度導入してしまえばコストを抑えられるケースも。

ただ、精度が高いといっても100%確実とはいえません。場合によってはAIが翻訳した内容を再度確認しなければならない可能性もあるため、どのように使っていくのかについて検討が必要です。

なお、以下のページでは英文契約書の翻訳に関するさまざまな情報を紹介しています。英文契約書の翻訳業者との契約を検討しているけれど、どの業者が良いかわからないと悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

英文の契約書を翻訳する際に
注意すべきポイントを確認する

英文契約書の基本構造

英文契約書には基本的な構造があり、多くの契約書はその構造に沿った形で作られています。ここでは、代表的な基本構造を紹介します。

表題

タイトルにあたる部分です。契約書がどのような内容を含んでいるのかについて一言でまとめられています。そのため、契約の目的についても表題を見れば一目でわかるケースが多いです。
一般的には他の契約と勘違いされないように、その契約書に限定したわかりやすいタイトルが付けられています。ただ、表題は直接的に契約と関わるものではないため、法的効果を左右することはなく、自由に決めることが可能です。

前文:頭書

表題の次に来る前文のうち、頭書(premises)にあたる部分です。契約書にとって基本的な部分を定める部分であり、誰と誰の間に、いつ、どのような目的をもって交わされるのかが記載してあります。
契約を凍結する日や契約当事者となる方の指名や住所、法人の設立準拠法といったものが記載される形です。

前文:説明条項

前文のうち、説明条項ではその契約に至った経緯について説明されます。契約締結までの経緯のほか、契約する目的などが記載されている部分です。

本文:定義条項

本文は、契約書の中でも特に重要な部分です。本文には、定義条項と実質条項が含まれています。

定義条項とは、契約書で使用する用語について、定義を定めるためのものです。この際、定義語であることを示す目的で大文字にしたり、クォーテーションマーク(“” '') で表現したりするのが一般的です。

あらかじめまとめて定義が規定され、以後の文章の中で繰り返し語句の意味を説明することはありません。
ただ、契約書の内容によってはそれほど文章が長くならず、簡単なものもあります。こういった場合では、その語句が初めて使われる際にカッコ書きでその語句を定義することも多いです。

本文:実質条項

実質条項は、契約書の中でも中核にあたる部分です。契約に関する基本的条件などが記載されています。

結語

契約の本文が終わることを指しているものであり、結語や末尾文言と呼ばれるものです。契約書を締めくくることを示す内容が掲載されることになります。

署名

契約に関する当事者であり、なおかつサインをする権限を持つ方がサインをする形です。署名がない契約書については法的拘束力を落ちません。

添付書類

契約書によっては、添付書類を使って細かく規定する場合があります。そういった場合は各種契約についての書類が添付されます。

英文契約書の準拠法

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英文契約書の法律英語

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英文契約書の理解に必要な企業法務

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英文契約書の基本構造まとめ

英文契約書の基本構造としておさえておきたいポイントについて解説しました。あくまで基本構造であるため、翻訳しなければならない英文契約書によってはその他の項目が含まれていることもあります。
例えば、契約期間に関する取り決めや、契約を譲渡する場合の取り決めに関する詳細についてです。また、不可抗力としてどのようなことを定めるのかについて詳しく記載されているような場合も多いです。

以下のページでは、英文契約書の翻訳を行うにあたり役立つ情報を紹介しています。自社で翻訳をするのは難しいと感じているのであれば、専門業者に委託することも検討してみてはいかがでしょうか。おすすめの業者情報も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

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