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自動翻訳AIの特徴(T-400、アイちゃん など)

  

翻訳を頻繁に行う場合、プロの翻訳者による従来の翻訳をリピートするという手段のほかにも、自動翻訳を導入するという選択もあります。契約書など、ハイレベルな翻訳に対する自動翻訳の現状を調べてみました。

自動翻訳とは

そもそも自動翻訳には2つの意味があることをご存じでしょうか。

1つ目が「翻訳に関わる作業を自動化するシステム」のことです。
翻訳にはさまざまな作業を伴います。それを自動化することで効率的に、素早い翻訳作業が実現します。

2つ目が「音声翻訳の自動化」です。音声を自動的に翻訳するシステムを構築し、まるで通訳のようなリアルタイムの翻訳をすることができます。

自動翻訳と機械翻訳の違い

自動翻訳にはほとんどの場合で機械翻訳が用いられるため、両者は同じ意味で用いられていることもありますが、厳密には違いがあります。

自動翻訳が、自動的に翻訳を行うシステムや、音声の翻訳を行う意味であるのに対し、機械翻訳はその名の通り機械(AI)による翻訳を指します。

また、機械翻訳は英語名の「マシントランスレーション(Machine translation)」の頭文字から「MT」と呼ばれることもあります。

自動翻訳システムを用いる場合、その一連の作業の中でこの機械翻訳を用いるのが一般的。
そのため機械翻訳は、正確に言えば自動翻訳の一部をなしていると言えます。

機械翻訳の種類

機械翻訳の種類を紹介します。

ルールベース機械翻訳(RBMT)

「ルールベース機械翻訳」は、英語表記の「Rule Based Machine Translation」から「RBMT」とも略されています。
登録済みの「ルール=文法」に沿って言語を翻訳する方法で、機械翻訳としては長い歴史があります。ソフトウェアのみを使って翻訳する場合には、現在も用いられています。
過去のデータに頼らず作業を行えるため、ネットを介すことなく翻訳できますが、その一方で「ルール=文法」を大量に登録しておく必要があります。

統計的機械翻訳(SMT)

「統計的機械翻訳」は「Statistical Base Machine Translation」と英語では呼ばれ、「SMT」の略で知られています。
まずコンピューターが与えられた各言語の対訳データから統計的なモデルを学習し、翻訳を行います。コンピューターが自ら学習することでルールベース機械翻訳の弱点を補うことができます。ただし、高い性能の翻訳を行うためには大量の対訳データを必要とします。

ニューラル機械翻訳(NMT)

「ニューラル機械翻訳」は「ニューロンの機械翻訳」という意味です。これは人間の脳神経細胞活動をモデルに開発された「ニューラルネットワーク」を採用したもので、さまざまな情報を学習しつつ機械翻訳が行われます。
身近なところではGoogle翻訳がこのニューラル機械翻訳を採用しています。

機械翻訳のメリット・デメリット

事前にメリット・デメリットを把握してから利用することで、より効率良く機械翻訳を活用することができます。

メリット

低コスト

機械翻訳はコンピューターによって行われるため、たとえ大量の文章や文書を翻訳したとしても人件費を抑えられるのが魅力です。
大量の翻訳を翻訳会社や翻訳家に依頼する場合は、日数がかかる分、数多くの人手が必要になってしまい、費用もかさみます。
機械翻訳を活用することで、手間とコストを省くことができます。

翻訳スピードが早い

機械翻訳を行うコンピューターの処理能力は、人力による翻訳作業よりもずっと高く、それだけ翻訳スピードも早いのが特徴です。
そのため急ぎの依頼などであっても機械翻訳を使っている場合には素早い対応が期待できます。特に、ビジネスにおいてはスピードは重要ですので機械翻訳は重宝するシステムです。

簡単で手軽

Google翻訳などを使ったことがある方ならおわかりいただける通り、機械翻訳は人の手を介さない分、とても手軽で簡単です。Webサイトを開き、翻訳したい文章を入力するだけです。提供されている翻訳サービスにもよりますが、いつでも気軽に使えるのがメリットと言えるでしょう。

デメリット

正確性が保証できない

簡単で手軽に利用できる分、機械翻訳は種類によって高い正確性が維持できていないものもあります。その場合、誤訳が生じたり、またどこか違和感のある文章が出来上がるといったようになります。

セキュリティリスク

機械翻訳と言ってもさまざまで、高度で正確な翻訳サービスを提供しているところであれば、セキュリティにも充分な配慮がほどされている可能性があります。こうした高品質の機械翻訳では、機密文書や契約書、医学や法務の翻訳が取り扱われることも多いため、セキュリティでは暗号化や元データのサーバーからの削除など、複数の対策がしてあるケースがほとんどです。
その一方で、気をつけたいのが無料版の機械翻訳サービスです。翻訳の元データがサーバーに残ってしまうなど、情報流出のリスクが懸念されます。
重要性の高い内容である場合、誰でも使える無料の機械翻訳サービスは避けましょう。

人の目による二重チェックが必要なケースがある

専門性の高い文章やネイティブの言い回し、そして重要な内容の翻訳などは、機械翻訳後に人の目でチェックが必要なこともあります。
そのため機械翻訳だけでなく、同時に「ポストエディット」と呼ばれる翻訳スタッフなどによる編集・修正を提供している会社も見られます。

自動翻訳AIの事例紹介

現在、翻訳サービスの中には、AI(人工知能)による自動翻訳に力を注いでいる会社も珍しくはなくなってきました。自動翻訳はWebサイトやアプリによる無料サービスも行われていることから、ちょっとした調べものや、海外旅行のときに重宝しているという方も多いと思います。

ただ、正確性の求められる英文契約書などの翻訳については、自動翻訳AIはどの程度のレベルまで通用するのでしょうか。また、コストも気になります。そこで詳しいサービス内容を一部紹介しますので、参考にしてみてください(調査日時:2021年9月)。

T-400

T-400は、翻訳関連のシステム開発を多数手がけているロゼッタが提供している自動翻訳AI。一般的な自動翻訳とは異なり、分野ごとに合わせた自動翻訳を行い、精度を高めているのが特徴です。

分野は、「医薬・化学・環境」、「IT・機械・電気電子」、「ビジネス専門」、「人文・社会」と大別され、さらにそこから2,000分野に細分化。自動翻訳であっても契約書などの機密情報や、重要な企業内文書の翻訳を安全に行えるようセキュア環境で使用できます。

サーバーも全て国内にあり、不正アクセスから保護しています。データ通信には暗号化システム(SSL)を採用。

アイちゃん

専門文書を1円で、1ワード2円で翻訳できるAIシステム。医薬・法務・金融の3分野に対応しています。A41ページを約5分というスピードで翻訳でき、かつ24時間365日対応。今すぐに文書の内容を知りたいときなど重宝します。

翻訳をメールアドレスだけで発注できるのも便利な点。Webから翻訳したい文書を入力し、依頼が確定すると翻訳がスタートします。翻訳が完了するとメールで通知が来る仕組みです。こちらも運営はロゼッタによって行われています。

BUSINESS LAWYERS

弁護士ドットコム株式会社が提供している自動翻訳AIです。レイアウトを崩すことなく翻訳したいとき、PDFやOfficeファイルをそのままの形式で翻訳できるというメリットがあります。

導入する前に、製品のデモと無料トライアルを受けることができます。契約が成立するとアカウントが発行され利用が可能になります。年間利用プランは12万円から。

まとめ

どの自動翻訳AIも優れた性能を持っており、開発によって日々進化していることが伺えます。投資金額も考慮すると、高性能な自動翻訳AIを無料で導入できることはまずないのではないでしょうか。 かと言って無料ツールだと英文契約書などの重要書類を翻訳するにはスペック不足であることは想像にかたくありません。

自動翻訳AIの導入を考えているのなら、無料ツールではなく信頼できる会社に依頼すべきです。

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